以前、イラストレーターの
こころさんが、昨晩、夢のなかにユウとボクと、そしてリリーフランキーさんが登場しました。
というようなお話を残してくださいました。
それ以来リリーフランキーさんが気になって、気になって仕方がありませんでした。
このリリーさん。ぼくのなかでは、失礼ながら、
かなりカルイ感じのイメージを持っていました。
と言っても、以前、図書館で借りた「おでんくん」は傑作で、
その内容に感激したけど。
そして…
このリリーさん。実は、コラムやエッセイなども書かれる、
マルチな(懐かしい表現!)才能の持ち主。
そのことを、とあるサイトで知りました。
しかも、いま、本屋さんで平積みになっている
「東京タワー」という私小説が、かなり良いと聞きました。
「笑えて、泣けて、泣けて、泣けて。」
「リリーさんのイメージが変わりました!」
そんな書評を読み「ぜひ、読んでみたい」と思いました。
前フリがずいぶん長くなりました。
東京タワーというタイトルの付いたこの本。
サブタイトルには「オカンとボクと、時々オトン」と入っています。
そう、これは彼の家族を描いたお話なのでした。
九州に生まれ、ちょっと個性的な育ち方をしつつも、
お母さんの愛情を感じながら育ったリリーさん。
自堕落になったことも、いろいろありながらも、
いまの姿に至った過程。
肉親への思い、
葛藤、
優しさ。
人間(リリーさん)のココロの変遷が、
ときにおもしろく、
そして、いつまにか涙があふれてくるような
エピソードで綴られていました。
読んでいるうちに、何度も自分を重ねてしまったり、
すっかりリリーさんのお友だちになったような気持ちで
読んでいました。
ぼくは、小説を読んで泣くという経験がなかったのですが、
この本を2日にわけて読み、その両日で泣いてしまいました。
そばにいる人や、お世話になった人、
肉親、親戚。
やさしくならなきゃ、やさしくしたい、
〜お節介かもしれませんし、口だけのときもあるけど(苦笑)〜
と思いました。
今年、読んだ本・べスト3のひとつになりそうです。
書名:
東京タワー
著者:リリーフランキー
出版:扶桑社
価格:1575円(税込み)