ここ数か月。ユウが大絶賛のクラフトエヴィング商會さん(吉田篤弘さん)。前から、一度、読もうと思っていたのですが、なかなか気乗りせず。
でも、昨晩は、ものすごーく活字が読みたくなって、ついに読みました。というかウダウダしてたぼくに、「これ読んでもみたら」と渡されたのが“それからはスープのことばかり考えて暮らした”というなが〜い書名の一冊。
ソファでごろんと横になって、何気なく読み始めたのですが、そこに記されていた暮らしの描写にすっかりはまってしまって、一気に読みました。
上質。でも華美なものではなく、
質素な味わい深さがあるというのか。
ほんとうにおいしいものを食べたとき、
「おぉぉ」とか、そんな声しか出ないように、
この本を読んだぼくは「おもしろい」っていうよりは、
「おぉぉ」って声が思わず出てしまうような感じ。
やわらかい、ゆったりとした時間が感じられるお話は、
途中に出てくる小物も、物語にしっかりと絡んできて。
料理のこと、人の描写、そこに佇んでいるもの。
そのすべての描写が丁寧。
読んでいるときは、その町に行ってみたくなり、
読んだあとには、とてもいい気もちになれる。
余韻までもが、楽しめる一冊でした。
って、ベタ褒めだな。
でも、おもしろかった!
書名:それからはスープのことばかり考えて暮らした
出版:暮しの手帖社
著者:吉田篤弘
価格:1,890円(税込)