先日、オウチ。で開かれた「
名前のない料理会」の際に、同じテーブルで食事を楽しませてもらった、ふさえさんご推薦の本「走ることについて語るときに僕の語ること」を読みました。
ダイゴローさんも、ユウも、ボクも、揃って春樹好きってことで、独特の盛り上がりがあり、いま、思い返すと少し恥ずかしかったり(苦笑)
学生時代は、新刊が出るたびに、飛びつくように読んでいた春樹本も、ここ数年は、本屋さんで手にとってはみるものの、すべてを読んでいたワケではありませんでした。
ましては「シドニー」(最後まで読めなかった)以来、村上春樹のスポーツ絡みものは、いまはいいかなって気もちでしたが…。
よかった。相当よかった!
ふさえさん、読んでよかったです。
ありがとうございます!
この本は、タイトルにもあるように「走る」ことを通して、
村上春樹さんが、自分自身のこと、そして、誰にとっても
未経験である「自分自身の老い」について記された一冊。
でも、本文にも書いてあるのですが、
これは決して走ることを推奨している本じゃないし、
健康を讃えているものでもありません。
ぼくはマラソンの経験はないし、
走ることに楽しさを感じた経験もないけど、
マラソンを続ける人たちが、何を感じているのか。
どういうところに楽しさを感じているのか。
そんなことを少しだけ垣間見た気がしました。
タイムを競うでもなし、勝ち負けを目的としているワケでもない。
でも、自分自身のなかにある何かを出し切りたい。
まっとうしたい。
こういうことって、どこか
山登り(これは学生時代に経験)にも、
似ているのかなと思ったりもしました。
さらに、創作活動と呼ばれるものにも通じるのだろうなぁと思ったり。
それにしても、読み進めていくなかで、
自分がどうありたいのか、
これからどう生きていこうかなぁというもの(←すこし大げさ)を
あらためて思いました。
また、いま、これまで出会いたかったけど、
自分のなかでいろいろ言い訳して、
結局、会わずにきたような人たちに「会いたい」と思う気運が
高まっているのですが…。
そんな気もちを後押ししてくれる本でした。
それにしても、非常に読み応えのある一冊。
村上春樹作品を読み返したくなる病にもかかりそう(苦笑)。
書名:
走ることについて語るときに僕の語ること
著者:村上春樹
出版:文藝春秋
価格:1500円